自作塗装ブース③組み立て編

お待ちかねの第3回はついに自作塗装ブースの組み立てに取り掛かりたいと思います。

その前に前回までに入手した商品をもう一度振り返っておきましょう。

肝心要のシロッコファン。

それにつなぐ電源ケーブル。

この他に排気を外に延長するためのダクトホースが必要になります。今回僕が使った FY-32BS7は排気ダクトの直径が15cmなので、ダクトホースも直径15cmの物を購入してください。

これは使うシロッコファンによっては直径10cmのものもあるので間違えないようにしてください。

途中で変換コネクタを使って変更することもできるんですが、基本的にシロッコファンから出ているダクトの直径は変えない方がいいです。詳しい理由はあるんですけれどうまく説明できないのでやめておきます。気になる人は調べてください。

まぁ簡単に言うと、途中で直径が変わるとそこで負荷がかかって排気効率がかなり落ちます。もっと言えばせっかく強スペックのシロッコファンを使ってもそのスペックが発揮されないことになります。もったいないですよね。

この他に、排気ダクトとダクトホースを固定するアルミテープなんかもあるといいかもしれませんこれは見た目を気にしないのであればガムテープでも大丈夫だと思います。

塗装ブースの本体とも言える枠組みは、加工の簡単さを考えて MDF 材を使うことにしました。

大体どこのホームセンターでも売っているので非常に入手が簡単なのと、切ったりする加工がめちゃくちゃ簡単という点で選んでます。

当然水気に弱いというデメリットもあるので、気になる人は普通の木材を使うとか、金属フレームで組んでプラダンを貼るとかいろいろ工夫してみてください。

ネロブースをターゲットにしていたので、サイズもほぼ同じにすることにしました。内寸縦50cm、横50cm、奥行き50cmで作るためのサイズを計算し、使う MDF 材の厚みも計算に入れた上で簡単な図面を引き近くのホームセンターに買いに行きました。

ところがご存知のように社会状況があまり良くなく、ホームセンターの加工室が閉鎖されてしまっていて、せっかく購入したとしても自分でサイズを整えることができません。

ということで、ホームセンターで買うのは諦めて、通販でサイズを指定して各パーツを切り出した状態で購入することにしました。 指定したサイズにあらかじめ切った上で販売してくれるサービスをしているところが結構あります。

値段はまちまちなのと、当然最低50cm以上になるのに加え、重さも結構あるので意外と送料がバカになりません。

お店の場所と住んでいる場所で送料が変わるのでその辺りも気にするといいのかなと思います。

届いてみると五十cm四方はやりすぎたかもしれないと思う大きさでした。

頼んでしまったのでしょうがないですが、実際に置く場所でサイズ合わせをしておいた方がいいです。と言うかしないのは僕ぐらいかもしれません・・・

今回購入したのはエコモクさんです。実際に下記のサイズで頼めば僕が作ったものと全く同じものを作ることができます。 

・天坂と底板・・・51.8×51
・横板2枚・・・50×51
・奥板・・・50×50
・整流板・・・50×55(要調整)
・手前上部の板・・・51.8×5

このサイズで依頼をすれば今回紹介しているブースと同じサイズのものができます。

ちなみにMDFの厚みは9ミリのものを選択しています。これも使うシロッコファンの重さによって下げることができる部分ではあります。

僕の選んだシロッコファンは5キロを超えていたので、これの下の7ミリでは少し不安がありました。ファンのサイズを下げた人は厚みを変えれば加工も楽になりますし、値段も安くなると思いますので、選んだファンによって変更してみてください。

ちなみに値段は送料込みで5,610円でした。僕は愛知県に住んでいるので送料の目安にしてください。

実際に事前に見積もりを頼めば送料込みでいくらというのも教えてもらえるので、冷やかしでなければ見積もりを依頼するのもアリだと思います。 

MDF の切断には若干の誤差があるとホームページには書いてありましたが、実際に届いた MDF を測ってみたところほぼ誤差はありませんでした。加工精度最高!

MDF は釘やネジで止めるのが向かないので、基本的に木工用ボンドで貼り付けていきます。おいおいボンドかよ、と思ったかもしれませんが木材を貼り付けるのに木工用ボンドはめちゃくちゃ強いです。伊達に木工用を名乗ってはいません。信用してあげてください。

 

 

実際に木工用ボンドで貼り合わせる際に乾くまで固定しておくためのコーナークランプという治具を使います。直角に固定して保持するための治具なのでこれがあるのとないのとでは後々の精度に大きな影響が出ます。

よほど自信がない方はこのジグを購入した方がいいと思います。今後使うことはないのかもしれませんがこのジグ込みでも自作塗装ブースの低コスト感は揺らぎませんから安心してください。確か2000円ぐらい

最初に底板と縦板を貼り合わせて乾燥するまで1日置いておきます。

 

 

完全に乾燥したら奥側の板を貼り付けます。 これもコーナークランプで固定しておいてください。

 

 

残るは天板だけですが、 シロッコファンをはめるために穴を空けなくてはいけないので、事前に購入したシロッコファンのサイズに合わせてくり抜いておいてください。

 

 

この作業が一番大変でした。僕はビビってしまったのでファンのサイズよりも小さめに穴を開けてしまいました。小さめに穴を開けたとしても削って広げればいいや、と安易に考えたんですがこれが大失敗。

削って穴を広げるのがめちゃくちゃ大変だったのでむしろ気持ち大きめにしたほうがいいです。

 

 

固定用の枠があるのでそれを超えて大きくしない限り少し大きくても影響はありません。削って穴を広げるあの苦労に比べたら絶対にそっちの方がいいです。

無事穴を開けたらファンを固定します。先ほども書きましたが MDF はネジや釘を固定するのに向かないので、ネジ止めするために当て木を用意しておいてください。

 

  

MDF はネジとか釘が抜けてしまいます。もともとが木くずを圧縮して作った板なので崩れてしまうんですよね。なのでネジ止め用の木材が必要なわけです。

その際に、ファンと天板の隙間が気になる場合は目地シールで埋めてください。 吸排気がそこから漏れないのでできればやっておいた方がいいと思います。 

事前にくり抜いた本体の木工用ボンドが乾燥したら、天板を貼り合わせて本体完成です。

この後整流板を固定します。斜めの板ですね。これがあることによって正圧負圧の関係で吸引力がますみたいです。正直ブースをパクっているだけで詳しい理屈は分かりませんが、理論的には間違ってないようですチャンバー効果だったかな。

最後に上側に板を貼り付けてます。吹き返し防止用と、裏に ledライトを貼り付けているのでそれが眩しくないように目隠しにもなってます。

 最後に排気ダクトへダクトホースをつないで排気場所へ持って行きましょう。

ということで完成です。 

実際に動かしてみましたがめちゃくちゃ静かです。これなら24時間動かし続けてても同じ部屋で寝ることができるぐらいです。このあたりの感じ方は個人差がありますので寝れねーじゃねーか!という苦情はやめてください。

一つ作って気をつけなくてはいけないと思ったのが整流板の位置です。

最初に取り付けをした場所だと吸込力があまり感じることができませんでした。おそらく理屈上で最適な位置があると思うのですが見た目をパクっているだけなのでその位置までは分かりません。

ある程度現物合わせで調整をしながら吸込力が納得できる場所で固定してください。完全に固定するのではなく調整可能にしておくとより良いと思います。

僕の作った塗装ブースは塗料で汚れるのが嫌だったので整流板と下面にプラダンを貼り付けてあります。これなら汚れたら交換すればいいのでブースがひどいことになりにくいはずです。 

トータルかかったお金は換気扇とルーバー電源コードが約1万3000円。 MDF がカットと送料込みで5610円。フレキホースとプラダンが2000円。 コーナークランプと木工用ボンドで2000円。今回僕はルーバーを買いましたので換気扇が少し高かったですがルーバーを買わなければコーナークランプを買ったとしても2万円を切ります。

ネロブースと同等のスペックの塗装ブースが、ペインティングブース II の値段で買えるって思えば多少自作の手間がありますが大満足ではないでしょうか。

ファンの大きさを調整したり MDF を自分でカットしたりすれば1万5000円を切ることもできると思います。

実際に使っていますがめちゃくちゃ吸引力があるので安心感は半端ないです。健康第一だと思っているので塗装ブースを動かしながらも防毒マスクをしているんですが、あまりにもちゃんと吸ってくれるので溶剤の匂いがせず、防毒マスクをするのを忘れても気が付かないほどでした。

実際に半年程度使っていますが、防毒マスクのフィルターが塗料で汚れることがないのでほとんど全ての余分な塗料が廃棄されていることになると思います。

やはり健康には代えられないので、自作して良かったと思います。皆さんも是非チャレンジしてみてください。

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